久しぶりに広島平和記念資料館へ行ってきました。行って気が付きましたが前回は東館のみで本館は工事中でした。その事もあり随分とマイルドな展示になってしまったんだなと感じていましたが、今回は本館展示も見ることが出来その感想が間違っていたと実感しました。順路として東館で受付し3Fへ。そこから本館展示室に誘導されます。


黒い壁をバックに並べられた資料の数々。照明は美術館とは違い少し暗めで近くに人の顔もぼんやりする程度。まるで歩く映画館の様で進めば進むほど凄惨な世界に静かに没入していきます。歩く人の足並みをゆっくりさせ、周囲の人々の姿も隠し意識させない。モノクロな資料に白い文字の説明を配しており集中し目を通しやすくなっていると感じました。そのため気持ちは少しずつ重くなっていきます。
本館の展示室を進み折り返すと対象的に明るい空間が展示室と同じ距離の廊下が現れます。ベンチも設置してあり窓からは平和記念公園の緑を見ることが出来ます。歩きながら少しずつ気持ちが軽くなっていくことを感じました。


廊下をすぎると順路は東館へ。こちらも暗く黒基調の展示から始まり白く明るい展示に移行してきます。美術館とは違い見て楽しむ展示ではなく気持ちに響く資料たちを単に並べるのではなくこうして変化をもたせることでまるでドキュメンタリー映画を見た気持ちになる。そんな展示と感じました。



久しぶりに行きましたが外国人の方々が本当に多く驚きました。真剣に見入っているその姿にどう受け止められているのか興味が湧いてきました。そんな私も展示資料に引き込まれ気持ちが重くなりすぎてしまい辛さを感じ息継ぎをしたくなるほどでした。だからこそ余計に明るい場所に抜けた時の感覚はとても気持ちが軽くなったことを実感しました。
私の建築テーマ「優しい人になれる家」の大切な気付きになりました。
人に伝わり記憶するきっかけは「感情が動く」時だと聞いたことがあります。原爆の恐ろしさを伝わる展示なんだと共感しました。
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